ミルクの白

真っ白なページに何を綴ろうか。

どうでもいいけど、大げさに書いてみる

※どうでもいいことを、小説風に書いてみました。今日一番記憶に残ったことですが、ただの日常です。

 

 

私はもう、この学校に来て長い。だいたいのことは把握しているので、新しい生徒が来たら頼られる立場になった。

 

最近また、新しい生徒が来た。彼はベトナムから一年間私の高校へ留学しに来たらしい。私と同じ学年にいるけれども、滞在歴的に私のほうが先輩である。コーディネーターからも、気を配ってやるように頼まれた。

彼は英語は話せるし、別に何も問題はないのだが、やはり来たばかりでシステムに慣れていない。そのうえ今日はミサがあったため、通常スケジュールと異なった時間割だった。戸惑う彼に何が起こっているか伝え、教会へ向かった。

私と彼が並んで座り、後ろに先生が座った。私は、「このミサをサボってはいけない」ということと、「サボったら最悪停学になる」ということを伝えた。彼にいくつか質問されたので、私は当たり障りなく答えた、と思う。

 

同時刻、私の友達はミサをサボっていた。定額になることを恐れず、図書館で時間を潰していた彼女は私に、ミサが終わったらテキストしてと頼んでいった。 そのため私は携帯をポケットに忍ばせ、静かに神父の話を聞いていた。

 

コミュニオンも終わり、ミサも終わりかけた頃に彼が、この次のクラスは何時から始まるのかと訊いてきた。私は答えるために携帯を使い学校のウェブサイトを開いた。すべてのアナウンスメントがそこに載っているからだ。彼にそれを見せ、ふと友達からのメッセージに気づいた。もう、歌も始まっているし、普段ならみんな退場をしているタイミングだったので、私はミサが終わった旨をテキストで伝えた、その時だった。

 

パシンッ。

 

左肩に痛みが走った。わけが分からなかったので回りを見ると、私の後ろに座っていた先生が私を見ていた。

先生が叩いたのか、確証がなかった私はしばらく彼を見つめた。すると彼は

「君は、新しく来た生徒に悪影響を与えている」

と言った。普段なら絶対に携帯なんかで怒らないのに、隣に新しい生徒がいるだけで、私は回りから、より厳格に、ロールモデルであることを求められるのだと気づいた。

私は即座に、

「本当にごめんなさい」

私は素直に謝った。その言葉と、私の困惑しきっていただろう表情でか、先生の顔が緩んだ。その後私は、携帯を触らずしっかり歌った。

 

その後一日、左肩が少し痛かった。しかしそれは、私が考えを改めるために必要な痛みだったのだろう。私は、元凶の友達に文句をたれながらも、どこか心の中でそう思った。